SHOWROOM前田氏が語る「事業創出の根源」

7月7日にNAGOYA Branch 運営委員会企画セミナーを名古屋ルーセントタワーで開催しました。前田 裕二氏(SHOWROOM株式会社 代表取締役社長)をお招きし特別講義にご登壇いただきました。この日のためだけにご準備いただいた講演テーマ「事業立ち上げとアイデア創出」についてお話しいただきました。
講演内容の一部をご紹介します。

前田氏の考える事業とは「誰かの痛みを取り除くこと」だと言います。事業を生み出す根本には「苦しさや痛みを持っている人を救うためにはどうしたらいいか」という発想があります。
前田氏が手がけるSHOWROOMは誰でも簡単にライブ配信ができ、視聴することが可能です。何かを表現したいと思う配信者には「ファンがつかない、いつまで経っても夢が叶わない、好きなことで生きられない」という痛みがありました。そして視聴者には「寂しい、存在価値を強く感じられない、夢中になれない」という痛みがあります。それらの痛みを感じている人たちに向けて「誰かに必要とされている感覚」を提供し、現代の究極の痛みの解除を行なっている、それがSHOWROOMだと言います。
芸能界・インフルエンサー・YouTuberもトップの約1%しかその仕事で食べていけない。前田氏はそのようなピラミッド構造が存在する世界でどうやったらまだ見ぬ才能を見出せるだろうか?他とは違う形で人を喜ばせることのできる新しい才能が、世の中には無数に眠っているのではないか、と考えていました。
SHOWROOMでは人がファンを増やすために何をしたらいいのかを科学的に分析しています。1つの分析結果として、「配信頻度・配信時間」などと言った「情熱がある人(より多く長く自分の好きなことをしている人)」がファンの数と強く相関していることが分かってきました。年齢や性別、見た目も越えていくのが特徴で、80歳を越えた配信者の方もいらっしゃるそうです。
ライブ配信は性別・年齢・歌のうまさなど関係なく、情熱や思いの大きさで決まるフェアな世界。視聴者はライブ配信で同じ時間を共有して空間を擬似的に共有でき、寂しさや自身の存在意義を再確認できます。配信者と視聴者はお互いに必要な存在になるのです。「"人から必要とされていないのではないか"という恐怖・痛みから解放してあげたい」という気持ちが、SHOWROOMのビジネスモデルの根源にあります。
さらに前田氏は、「自分はこのビジネスモデルを好んでいて、これからも自分が事業を創り出すなら"誰かの痛みを取り除けるビジネスモデル"にします」とお話しくださいました。

講義後には参加者から事前に寄せられた質問にお答えいただく時間が設けられ、1問1問丁寧にご回答いただきました。
参加いただいた方からは「すべてに答えてくださる姿に感動しました」「素敵なお人柄が伝わりました。今の仕事への愛情や情熱を大変感じました」と言った感想をお寄せいただきました。

講演の様子

次回のNAGOYA Branch運営委員会企画イベントは、12月に開催いたします。今回のようなすぐに実践できる学びの企画を考案中です。乞うご期待です!